主 張
昭和の齢も六十を数え、激動の昭和の御代を生きて来た私達日本人─その歴史は
必ずしも全面的に誇らしいものと言うわけではありません。反面、敗戦を境に、明
治以降の日本史を罪悪史とみるような歴史観(所謂、史的唯物論)にも私達は与す
ることが出来ません。今回この神州男児熱血歌唱祭を主催した私共は皆、後者の歴
史観による「反日教育」を受けてきた根っからの戦無派であることを、声を大にし
て言いたいと思います。
敗戦後は、国体はおろか共同体の最低単位である家族制度さえ抹殺されてしまい
ましたが、最近マスコミの言う「右傾化」を背景に、「民族」という共同体単位が
再認識されて来た感があります。その原因は、外的要因として日本海を隔てた隣邦
ソ連の軍事的・政治的恫喝が挙げられるでしょう。この四十年間、文化的部門(学
術・法曹・マスコミ・芸能等)を全面的に支配して来たマルクス主義の潮流、言い
かえれば、最も平和を語り、反権力を唱え、民主主義を謳歌してきたはずの左翼勢
力が目標にして来た「革命」の正体は、旅客機を撃ち落として二六九名もの命を奪
い謝りもしない行為であり、国民の三分の一を坑埋めにし或いはイカダに乗せて大
洋へ放り出す行為であったとは。
もう一つ内的要因は、次代を担う青少年を育むべき教室で教師が撲られ、家庭で
は父母が足蹴にされ、変な教科書を使って授業した結果、君が代を歌えない子供達
が育ってしまった事実が挙げられます。民族とは血と地と歴史を共有するものだと
いわれます。言ってみれば家族とよく似たもので、嬉しい事があれば皆で祝ってや
り、悲しい事があれば皆で分けてやる、愛を保持する集団ではないでしょうか。
つまり私達日本人が共有すべき歴史は、誇らしい事も、反省すべき事もすべて含
まれるでしょう。それを止揚し得るなにものか(決して主儀ではない)を一刻も早
く見つけ出すことが、今後の日本人の課題だと言えるでしょう。第六回神州男児熱
血歌唱祭もその模索の一助となれば、これに勝る歓びはありません。
第六回神州男児熱血歌唱祭(昭和60年1月27日 伊丹文化会館)
企画委員会代表 谷田 透
神州男児・熱血歌唱祭
出 演 久保田浩正・笠原 正敏
魚谷 哲央・谷田 透
仁科 爽風・小風 黎風
越智 翔風・村上 学
金剛塾青年有志
友情出演 ………甲南大学応援団
特別出演 ………嚢祖会嚢祖太鼓
演 奏 ………平 山 忠 純
司 会 ………佐 伯 宣 親
企 画 ………魚 谷 哲 央
演出構成 ………花 房 東 洋
音 楽 ………平 山 忠 純
協 力 ………日本文化研究所
制 作 ………神出鬼没社
資料提供 毛呂清輝・青木 哲
大井 清・大場俊賢
笠原正敏・木村直宝
鈴木邦男・摺建寿隆
中村武彦・村瀬博一
野村秋介・池田龍紀
CD 「第6回神州男児熱血歌唱祭」(昭和60年1月27日 伊丹文化会館)私家版
1.オープニング 2.若き支邦浪人の唄
3.台詞 4.馬賊の唄
5.狼の唄
6.台詞 7.亡命者の唄
8.無題 9.蒙古放浪歌
10.台詞 11.先人訓の唄・建設の唄・晩に祈るメドレー 12.台詞 13.大和魂の唄 14.檄 15.三島烈士の声
16.男なら節 17.一献歌 18.台詞 19.無名の志士を弔う唄
20.特別講演 21.青年日本の唄