趣意

 昭和維新の歌といわれた「青年日本の歌」が作られた昭和初期は、日本民族が苦闘し、動揺した乱世の時代でした。歴史は、繰り返すといわれますが、今日の世相もまた、混乱と退廃に沈倫しております。
しかも、こうした行詰りは世界的な現象として表われ、世界の人々は言い知れぬ不安と苦悩のなかで、この現状を救い得る新しい理念と方策とを求めております。しかしながら、自由主義社会も共産主義社会も、共に、何らの対策をも生み出し得ない有様です。
このような事態の中で、私共は、日本を救う道は何か、真の日本国家建設の道は何か、その理念を何処に求め、何を行うべきかと、問い質さずにはおられません。かって、私共の先輩たちは、腐敗せる世を正すために、昭和維新といわれた日本救国運動を起しました。その諸先輩が静かに、しかも、力強く歌った「青年日本の歌」のメロディから今なお流れ出ずる悲願と情熱は、私共に何ものかを垂示いたします。
「青年日本の歌」は、滅亡せんとする民族救済の祈りをこめた歌であります。民族的くらやみを打開し、開眼し得るものは、青年的情熱以外にないという歌です。
日本歴史の根底を流れているものは、常に青年の情熱と創造的協力精神であります。神武の建国、大化の改新、建武の中興、明治維新、凡てこれ青年的創造であり、創造的行動です。青年の創造と協力が日本歴史における幾多の困難を解決し、歴史の生々発展の源動力となってきました。創造は協力であり、協力は創造です。創造にして協力、協力にして創造、相循して無限創造の大軌道を進み行くものが日本民族の核心であります。
この日本歴史の中核を流れる民族の心は、今なお現在に生きる人々の魂の中に流れております。ここにこそ、今日の現状を超克し得る根源があると信じます。
願わくば、この「青年日本の歌」が民族の心を喚起せしめんことを。

「青年日本の歌」顕彰碑
「青年日本の歌」顕彰碑
碑文(拓本)
碑文(拓本)